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卒業制作で横須賀の民家をリノベーション 多くのメディアが報道


環境デザイン学科を今春卒業した学生たちが、横須賀市汐入町の高台にある民家を約1年かけてリノベーションし、工芸学科の学生も協力して完成しました。3月25日、地元住民を集めてお披露目され、多くのメディアがつめかけました。

周辺は坂道や200段超の階段が続く、「谷戸(やと)」と呼ばれる地域。明治期より「軍港の街」として発展した横須賀では海を臨む丘陵に民家が増えましたが、現在高齢化が進んで人口が減少し、市内でも有数の空き家増加エリアです。

コンペで優勝したことがきっかけ

リノベーションに取り組んだのは、環境デザイン学科を今春卒業した矢野香澄さん、小松勁太さん、溝口ひかるさんの3人。「谷戸地域という場所で、風景から考えるまちづくりを実践したい」と、丘陵地の自然と調和する景観デザイン「やとみちプロジェクト」を1年前にスタートさせました。横須賀出身の矢野さんは環境デザイン学科で建築やランドスケープの設計を学び、大学3年の時に谷戸に関心を持つように。学生団体「スカブル」に入り、学生らが横須賀の抱える課題解決に向けてアイデアを競う「横須賀学生まちづくりコンペ」で、空き家を利用した「二拠点生活」を提案して優勝を果たします。

その際、空き家問題が深刻な谷戸も巡り、狭い坂道や階段でしか移動できない不便さの一方、山の中に無秩序に家がひしめく独特な空間に惹かれ、景観上の魅力をさらに高める方法を考えようと卒業制作に着手。「手すりをもっと谷戸の風景になじむよう、石垣になじませた石材で作る」「尾根上に家を建てないルールをつくり、自然を前面に出す街づくりをする」といったアイデアをイラストや、段ボールや紙などで作った50分の1スケールのジオラマで表現しました。

Yahoo!トピックス、東京新聞、NHKなどが報道

2017年8月には谷戸地域にある築50年ほどの2階建て古民家を交流拠点にしようと、業者に頼らず同級生の小松さんとアイデアを出し合い、後輩や知人、近隣住民らの力を借りて改装を進めました。居間の畳をフローリングに替え、工芸学科の学生が手掛けたランプを天井からつるしたほか、映像を流せるスクリーンや芸術作品などを展示できる棚も設置しました。

このリノベーション・プロジェクトはYahoo!トピックス、横須賀経済新聞、神奈川新聞、東京新聞など数々の媒体で取り上げられ、NHKの首都圏ネットワークでも放送されるなど、大きな注目を集めました。

関連情報:
横須賀経済新聞
ヤフートピックス(みんなの経済新聞ネットワーク)
東京新聞
神奈川新聞(カナコロ)