株式会社
フジテレビジョン

確かなデザイン力と独自の世界観で
理屈抜きに納得させる表現力を持つ。
それが多摩美出身者の強み。

テレビ局。イベント、映画・映像ソフト制作、通信事業、権利ビジネス事業などを行う。産経新聞や扶桑社などと共に、フジサンケイグループに属する。
www.fujitv.co.jp

人事局
局次長兼人事部長
木下 智裕さん

デザイナーは番組制作の最初から中心にいて、根幹に関わるポジション。

美術制作局には複数名の多摩美出身者がいますが、彼らの強みは、確かなデザイン力で頭の中のイメージを可視化できること、さらに、独自の世界観や個性を持っていて、その世界観を理屈抜きに納得させるような表現ができる、ということだと思います。デザイナーは、番組制作の打合せ時にディレクターの横でアイデアを可視化し、その場で伝えられる存在。いつも最初から中心にいて、制作の根幹に関わっています。制作者の意図とすり合わせ、ある意味戦わせながら、視聴者にどう届けるか模索する。それにはまず、幹となる自分の個性を持っていることが一番大事だと思うのです。そういう個性を持っていることは強いですね。

採用においては、技術面にプラスして、他の人との調和をうまく保てるかを重視します。テレビは大勢のスタッフによる総合的な力でつくっていくものですから、そのバランスや協調性、人間力が重要なのです。柔らかに自分の考えを主張できる人材が必要とされます。

テレビ業界において、これからの時代は番組だけに留まらず、更にそこから広がる世界、例えばネットやイベントなどでどう展開すればもっと人を楽しませられるか、ということが求められます。テレビという枠にとらわれず、スマホやパソコン、あるいはもっと新たなメディアも視野に、自分の作品を表現する環境を柔軟に考えてほしいと思います。当社が今本当に求めている人材は、職種にかかわらず、面白いことを考えている人や見たことのないものを見せてくれる人。その要素を持つ人であれば、美術制作だけではなく、ディレクターほか他の職種にも様々な活躍の場があります。自分が「どういうモノを伝えたいか」ということがはっきりさえしていれば、アウトプットの仕方はいろいろある。選択肢が多く、さらに、少数精鋭なのでチャンスも早く回ってきやすい。それがフジテレビという会社です。ぜひ、見たこともないような面白いものを、見せて欲しいですね。

美術制作局美術制作センター
デザイナー
邨山 直也さん
2006年|彫刻卒

多摩美で培った「ゼロからイチを生み出す視点」が、企画を飛躍させる。

彫刻を専攻していた学生時代に養護老人施設で作品を展示させて頂いたのですが、ある学生の首像を見たご老人が「なぜ、ナマクビを展示しているんだ。気持ち悪い」と言ったんです。彫刻だから当たり前だと思っていた首像がナマクビと表現された時、ハッとしました。場所や空間によって作品は良くもなるし、ナマクビにもなる。これからはそれが置かれる空間も考えて作品を作りたい、と。そこから空間デザインに興味が広がり、また、より多くの人に作品を見てもらいという思いが強かったことが、今のマスメディアという仕事につながりました。彫刻学科からこの進路はあまり例がなく、それなりの苦労はありました。でも、例がないだけに面白がられて(笑)。後輩の方に伝えたいのは、「少数派は最強の武器である」ということです。一撃必殺の武器ですね。

テレビ番組制作において美術やデザイナーの仕事といえば、一般的には「大道具さん」をイメージする人が多いと思いますが、実はまったく違います。オーケストラに例えるなら、デザイナーが指揮者で、楽器を演奏するのが大道具、カメラや照明、あるいは装飾や衣裳、メークといった役割の方で、これら全体で美術の仕事ということになります。つまりデザイナーという仕事には、企画のスタート時点からディレクターと一緒に立ち、自分が作りたい世界観を描けるという魅力があります。

デザインに関わらず、テレビ業界で多摩美生が活躍できる場はとても幅広くあると思います。多摩美では「1を生み出す」ということに重きを置いて学びますが、この視点がとても有利。イベントを例にとると、誰を呼んでくるのか、今何が流行っていて何が面白がられているのかなど、ゼロからイチを生むところに美大的視点が入ることで企画に幅が出ると思うんですね。その視点はグッズ開発のデザインや販売方法の展開などにも生きるでしょう。自分で何かを生み出したいのか、それともコミュニケーションの中で膨らませたいのか。後輩の方たちには、やりたいことに合わせて将来を選択する術を、美大でぜひ身につけてほしいです。

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※掲載者の所属などは記事公開時のものです。