2011年秋冬期講座

講座番号
3121

「美術の現場」の真実・語りと写真から—安齊重男のアート・ドキュメント

1970年、「美術の現場」が一人の人間によって捉えられるようになりました。それは一人の写真家が生まれた瞬間でもあります。それからさまざまな事と物に出会った眼差しは、何を捉え、何を伝えるのでしょう。写真と語りのなかから、私たちはいったい何を見出すのでしょう。

講座内容

第1回 なぜ美術の現場か―「人間と物質」展
第2回 アメリカの美術状況にふれて
第3回 国際展―ミュンスター、シャンブル・ダミ等
第4回 日本における国際展のひろがり
第5回 対談―70年以降の美術四方山話(安齊重男×海老塚耕一)

開講日 2011年10月19日~11月30日の水曜日(11月2日、23日除く) 全5回
時間 19時00分~20時30分
場所 上野毛キャンパス
受講料 9700円
定員 30名
申し込み締切 9月28日必着
講師 安齊重男[アート・ドキュメンタリスト、本学客員教授。さまざまな現代美術の現場を記録]
海老塚耕一[美術家、本学教授。素敵なあそびとしての美術の楽しさを、制作と理論から探る]

コラム 「写真と美術」

 

 

11au01_anzai350.jpgのサムネール画像

現代美術は、美術館や画廊の空間から飛び出して、自然のなかや都会の隅々にまで、その活動領域を拡げてきました。各地で大規模な国際展が開催されるようになると、いくつかの作品は恒久的に設置されることもありますが、多くは仮設的で、展覧会期間が終われば撤去されてしまいます。そのため映像による記録がより重要になってきました。写真は作品とともに周囲の環境や空間性、制作のプロセス、人とモノとの関係など創造に関わるさまざまな情報をフィルムに定着するのです。そして作品の不在を補完し、また作品の評価に深く関わる場合もあります。しかし現代美術を撮影することは、記録という側面だけで割り切れるものではなく、アーティストに寄り添い、一緒に何かをつくりあげようとする創造性の共有が何よりも大切なのです。

 

(文・伊藤憲夫〈事務局〉)

写真=「人間と物質」展でのクリスト作品の設営風景(1970年)撮影:安齊重男