2011年度春期講座

講座番号
1112

語りの世界―心に響く、声の風景

印刷された文字が声によって、生き物のように立ち上がる。「語ること」の魅力は、言葉が空間を満たし、物語の世界が目の前に現れる瞬間を感じることではないでしょうか。この講座では、3名の方を講師としてお迎えし、お話と朗読によって語りの魅力に迫っていきます。

講座内容・講師

第1回 宮本研作『花いちもんめ』
加藤忍[女優、声優。舞台を中心に多方面で活動。一人芝居『花いちもんめ』に取り組む]

第2回 夏目漱石作『夢十夜』
阿部知代[フジテレビアナウンサー。朗読舞台『朗読Legend』等にて声の可能性を追求する]

第3回 樋口一葉作『十三夜』
迎康子[NHKアナウンサー。『ラジオ深夜便』の準備段階より参加、現在アンカーを務める]

※各回、案内役との対談の後、講師による朗読を行います。

開講日 2011年5月7日、6月4日、7月2日の土曜日 全3回
時間 18時00分~19時30分
場所 上野毛キャンパス
受講料 7500円(1回ごとの受講も可能・1回3000円)
定員 50名
申し込み締切 4月13日必着
案内役 萩原朔美[映像作家、本学教授。演劇、文章、実験映画、写真、版画等、表現の発見を繰り返す]

コラム 「音としての言葉」

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萩原朔美<映像作家・本学教授>

音読が恥ずかしくなったのは、何時頃からだろうか。人前で声を殺して活字を追う。そんな習慣がすっかり身についてしまった。都会の人混みの生活なので、黙読が読書の常識になったのだ。

数年前から、リーディングの公演が増えた。役者や声優やアナウンサーが自主公演を開くのだ。声の表現だけだから実力が試される。役者やアナウンサーにとっての試練の場として有効なのだろう。

それ以上に、受け手の音読への郷愁があるかもしれない。耳をすまして意味を掴む。想像する面白さ。音としての文章を聞き分ける。そんな魅力が浸透してきたのだ。

一度、今まで黙読していた詩や小説やエッセイなどを音読してみるといいかもしれない。新しい発見があるに違いない。黙読とは別種の、音楽としての言葉の豊かなひろがりと出会えると思うのだ。

写真=金子みすゞの詩を朗読する迎氏