2011年度春期講座

講座番号
1122

素材の色にふれる―色の秘密を探る(鉱物の色、植物の色)

物質、つまり素材には色があり、その色はそのままの色であることもあれば、異なった色に生まれ変わることもあります。たとえば、「窯変」や薄い濃いといったあり方もそのひとつです。そんな素材のいろいろにふれて、見つけてみましょう、自分の色、そして素材の楽しさを。

講座内容

第1~4回 「鉱物の色」 (平井達郎)
講義(第1~3回)―色の発見、顔料・石からの贈り物、古代の染料と薬/演習(第4回)―色の獲得、顔料から絵具をつくる

第5~8回 「植物の色」(山崎和樹)
講義―天然染料の特徴/演習―毎回2種類の草木染料で絹・麻・木綿の小布を染色、色見本帳を作成

開講日 2011年5月7日~7月9日の土曜日(6月18日、25日除く) 全8回
時間 13時00分~15時30分
場所 上野毛キャンパス
受講料 2万9000円(材料費・道具使用代別途1万円)
定員 20名
申し込み締切 4月13日必着
講師 平井達郎[本学教授。絵画技法や材料学研究に従事。顔料・染料の起源、伝播の歴史等を探る]
山崎和樹[染色家、東北芸術工科大学准教授。草木工房を主宰。講習等で草木染の普及に尽力]

コラム 「色の時間を遡って」

11sp04_hureru.jpgのサムネール画像

草木は季節によってその色を変化させ、空や海も光線によってさまざまな色をつむぐ。自然にある色は常に移ろい循環します。その一瞬の色に名前をつけ、再現し、ものに固定させることで、私たち人間は色を獲得しました。

平安時代、人々はさまざまな植物の色を布に染め、十二単に代表されるいくつもの色鮮やかな衣を生み出しました。また、土や石から顔料を発見し、壮麗な寺院や仏像をきらびやかに彩りました。それは、当時の人々でも目を見張るほどの鮮烈な色彩世界であったことでしょう。翻って人工的な色があふれる現代では、古代の色が本来持っていた色の生命力や意味が薄れてきているのかもしれません。

色の歴史を遡って、人間が色をつくり出したときと同じような気持ちで色にふれてみませんか。あなたが何気なく目にしている色に、はるかな地球の歴史や植物の想いが隠されています。時間を遡り、色の無限に広がる宇宙を体感してみましょう。

(文・石井久美子〈事務局〉)

写真=伝統的な草木染による色鮮やかな布