2012年度秋冬期講座

講座番号
3134

演習とともに語る―私が生きた現代美術―ピカソ、マティス、デュシャン

高校生のころ、伊藤若冲と出会い、そこで画家になることを決心した美術家がいます。眼差しの変容が始まります。ピカソ、マティスを知り、デュシャンにたどり着き、フランスに《林檎の礼拝堂》をつくります。作家が自らを語り、演習を通して現代美術のあり方のひとつを伝えます。

講座内容

第1~5回 講義―セザンヌ以降の作家/キュビズム的自画像に挑戦/マティスの空間表現(模型制作等)/風景芸術とは

開講日 2012年10月13日~11月17日の土曜日(11月3日除く) 全5回
時間 13時30分~16時00分
場所 上野毛キャンパス
受講料 2万円(材料費別途5000円)
定員 22名
申し込み締切 9月21日必着
講師 田窪恭治[美術家、本学客員教授。国内外の特定の風景そのものを再活性化させる表現を展開]

コラム 「ひとりの美術家の視点から」

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今から二十数年前、ひとりの美術家が自らの生活の拠点を移し、フランス・ノルマンディーの小さな村で新たな表現の模索を始めました。縁もゆかりもない村で、荒廃した礼拝堂を再構築させるというもの。ただ復元をするわけではありません。

既存の建物の構造やその土地の歴史的な背景、宗教的な主題など、数多くの条件は美術家を深い戸惑いへ導いたことでしょう。けれども、美術家は使われなくなった礼拝堂を表現の現場へと昇華させる、新たな創造へと向かいました。

美術家=田窪恭治氏は、画廊や美術館という制度のなかだけで作品を発表する、それまでの美術のあり方に疑問を感じていたといいます。時代の動向や現状に疑問を投じることで、次なる表現への原動力を生み出しているのかもしれません。

田窪氏の視点を通じ、ピカソ、マティス、デュシャンなどの軌跡にふれながら、現代美術、あるいは現代の表現の源泉に思いを巡らせてみませんか。

 (文・石井葵〈事務局〉)

写真=田窪氏が表現の対象として再生を手掛けた、フランスの礼拝堂内部の壁画