2012年度 秋冬期講座

講座番号
3141

庭にふれる―庭のデザインと技

千差万別の庭の表情。優しくて楽しくて、そしてやわらかな庭のあり方はどのように現れてきたのでしょう。見立てられた庭の素敵は、私たちにたくさんの言葉を与えてくれます。庭に関わる人々はどのような眼差しで、木々や石、水や風と接しているのでしょう。その不思議を手にしてみませんか。

講座内容

第1・2回 「庭のデザイン」 講義―日本庭園の美、古代から現代まで/庭の楽しみ方、これからの庭(小沼康子)

第3~5回 「庭の技」 講義―なぜ庭に石なのか、岩から石へ/剪定のデモンストレーション/冬の庭園作業の見学(荒川昭男)

開講日 2012年10月17日、24日、11月14日、28日の水曜日、12月6日(木) 全5回
時間 14時00分~15時30分
場所 上野毛キャンパス、第5回は上野・寛永寺(現地集合・現地解散)
受講料 1万3000円 ※第5回の交通費は各自お支払いいただきます。
定員 30名
申し込み締切 9月26日必着
講師 荒川昭男[庭師、横浜マイスター。関西で修業後、独立。石にこだわった和風庭園の作庭を行う]
小沼康子[東京農業大学客員研究員。庭園に関する調査・計画・コンサルティングに携わる]

コラム 「心地よい庭を求めて」

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四季折々の樹木や草花の姿、葉のざわめく音、水のせせらぎ―庭の楽しみは、限られた空間のなかにある工夫されたひろがりの美を感じることにあります。

自宅で身近に四季を感じることのできる庭は、魅力にあふれています。けれども、生き生きとした健やかな庭を保つことは容易ではありません。

樹木の成長や時の経過によって日々変化していく庭。その過程を見守り、木や石との対話によってより良い状態に導く庭師の仕事は、庭に自然の循環を促し、土地と人をつなぐ通訳のような役割を担っています。

今回は、庭の成り立ち、そして楽しみ方とともに、その庭師の視点からも庭を眺め、作られることによって生まれた心地よい庭のあり方にふれていきます。庭のさまざまな姿は、あなたにあなたの庭のあり方を知らせてくれるかもしれません。

 (文・石井久美子〈事務局〉)

写真=荒川氏が作庭した寛永寺泉龍院の庭