講座レポート

アトリエのにおい「日本の伝統技法を学ぶ―箔」
米谷清和さん

【2015年11月21日(土)】

昨年より行われているシリーズ講座「アトリエのにおい」。今回は日本画専攻のアトリエを訪ね、箔を用いた制作を体験しました。

まずは、日本画専攻の学生たちが普段使用しているアトリエへと足を運び、彼らの作品や制作風景を見学させていただきました。岩絵具の課題を進めている学生のなかには、箔の技法を取り入れて作品制作をしている人もいて、受講生とひとときの交流を楽しみました。金や銀の四角いままの箔だけでなく、さまざまなかたちや色の箔を目の前に、受講生の関心が高まります。箔は切って貼るだけでなく、ふるいにかけて細かく散らすなど、使い方によって表情が変わることが分かりました。

その後、岩絵具と箔を使って小品の制作をしました。なかでも、銀箔は加熱によって色が変わることを知り、アイロンを使っての制作に挑戦しました。画家や職人がどのように箔の特性を感覚でとらえているか、少しでも近づけたのではないでしょうか。

箔は繊細で、なかなか思い通りにはなりません。しかし、自分の手のなかで多様に変化し、表情豊かに姿を変える箔はとても魅力的で、画面の上でも映えてみえます。

今後、箔が使用されている日用品を使ったり美術品を鑑賞したりするとき、これまでとは違った視点から見ることができるのではないでしょうか。

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