講座レポート

コラム「創造と美術教育の場として」

八王子キャンパスの正門でバスを降りると、巨大な石が宙に浮いているかのような光景が出現します。これは、卒業生であり教員であった関根伸夫氏による彫刻作品です。他にも学内を歩くと、本学に関わったアーティストたちの作品が至るところにあることに気づくでしょう。また、敷地内には9つのギャラリーが点在しています。そこでは随時、学生たちの生まれたばかりの作品を目にすることができるのです。

キャンパス内で数多くの作品にふれることができるのは、ここが制作の場であるとともに、自由な発表の場、批評と鑑賞の場、そしてコミュニケーションの場であるためです。「キャンパスすべてを生きた創造・美術教育の場とすること」が、八王子キャンパスに込めた本学の想いでした。

あたたかな春の日差しを受け、学生たちの熱気を間近に感じながら、気に入った作品を探してみてはいかがでしょうか。自然と作品が共存する多摩美ならではの情景を楽しんでいただけることでしょう。

「2016春号 講座案内」掲載
写真=創立80周年記念展「タマビクオリティ」
絵画東棟ギャラリー展示風景

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